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シャッターの寿命は何年?耐用年数を種類ごとに解説
- シャッター修理の豆知識
- 更新日:2022/01/28
「シャッターの動きがスムーズでない」「シャッターボックスの中から異音がする」「シャッターを上げるのが重くなった」
このようなシャッターの不具合はシャッターの寿命が来てしまったのかもしれません。
ここではシャッターの寿命をシャッターの種類毎に解説しています。
シャッターの寿命を延ばすメンテナンス方法も記載しているので、シャッターの交換やシャッターを出来るだけ長く使用したい方はぜひ参考にしてください。
目次
シャッターの寿命の目安は手動で10年、電動で15年
シャッターの寿命は耐用年数と耐用回数で決められており、早く到達する方が採用されます。基本的に開閉するごとに駆動部は劣化していきますし、動かさなくても腐食によって少しずつ部品は劣化していきます。メーカーのサイトのデータを引用すると、シャッターのサイズや種類によって下記のようにシャッターの寿命は定められています。
種類 | 設計耐用年数 | 設計耐用回数 |
窓シャッター | 10年 | 7,000回 |
軽量電動式シャッター | 10年 | 10,000回 |
軽量手動式シャッター | 10年 | 5000回 |
重量電動式シャッター | 15年 | 10,000 |
重量手動式シャッター | 15年 | 2,000回 |
高速シャッター | 15年 | 10,000回 |
高頻度グリルシャッター | 10年 | 30万回 |
高速高頻度シャッター | 10年 | 30万回 |
ブロードシャッター | 15年 | 10,000回 |
参考:https://www.sanwa-ss.co.jp/general/mainte/inspection/
最短で3年、最長で40年
シャッターの寿命は10年、15年とメーカーも色々なサイトでも言っていますが実際にはそれより短い場合もあれば長い場合もあります。
そもそもシャッターの寿命といっても定義は人によってまちまちです。例えば高齢でシャッターの上げ下げが重くなって使えなくなったと感じる方がいる一方で、若い方はまだまだ使用するには十分と感じるかたもいるでしょう。
メーカーの耐用年数が10年だからと言って10年経ったらシャッターが突然使えなくなるわけではありません。ただ最初のころよりは大分動きが悪くなっているというだけです。
私の経験上ですが多くの方は手動シャッターは15年以上ご使用になっています。もちろん10年以上使用している手動シャッターはスプリングの劣化が進んでいるので上げるのが重くなっており、その重さを我慢して使っているという前提です。中にはノーメンテで40年以上使用し続ける場合もありますのでこの辺は完全に環境に依存します。重い、軽いは個人の感覚にもよりますしね。
一方で例外的にシャッターの寿命が短くなるケースもあります。海岸沿いのように塩害の恐れがある場合です。およそ電動、手動ともに5年ほどでシャッターの腐食は進み、様々な不具合が出ることが多いです。腐食に強いフルステンレスという選択もありますが価格がスチールのおよそ3倍になるので費用対としてはあまりおすすめもできません。
シャッターの法定耐用年数
シャッターの法定耐用年数は基本的に建物として計上されることが法令で定められています。これはシャッターの規模によりますが金属製の車1台分のシャッターなら概ね19年〜22年が国が定めたシャッターの耐用年数となります。この数字は実用の耐用年数ではなく減価償却する際にその年数で割った費用を毎年経費に計上出来るというものです。電動シャッターも手動シャッターも同様にこの耐用年数が適用されるので減価償却が終わらないで交換にいたることはよくある話です。
詳しい数字は国税庁のホームページに記載してありますのでこちらも参考にしてください。迷ったら税理士さんに確認するのが確実です。
シャッターで一番に寿命がくる箇所はスプリング
シャッターはそれを動かす可動部分である軸部分、軸受部分、昇降機構、つまり電動シャッターだったらモーターか制御盤、手動シャッターだったらスプリングシャフトは寿命がきやすい部分と言われており、年数を重ねていくうちに異音や開閉時に隙間が生じることや、部品の変形、損傷などが見られます。
先ほど耐用年数をご紹介しましたが、あくまで目安ですので、説明書に従った定期的な点検とシャッターの大切な使用が必要です。
ドア・サッシ部、懸架部に使われる部品も摩耗が進みやすいので劣化が早いです。レールからシャッターが外れてしまうとそれだけで部分的に破損するため、ガタガタとシャッターが音を立てて揺れるような場合、メンテナンスが必要だと考えておきましょう。
この変化はだいたい5年から6年目にはあらわれますのが、使用年数で考えずに開閉時の違和感を感じる場合は点検を行いましょう。
また、一般にシャッターがおりている時間が長いほどほど寿命は短くなると言われており、シャッターはおりている状態が最もスプリングという部品に負荷をかけているからです。なので、長期間シャッターを放置している場合、耐用年数未満で部品交換が必要になることがあります。
また、耐用年数・耐用回数を超えたシャッターについては点検結果に基づいた部品交換が必要です。
災害などでシャッターが破損を起こし故障した場合も同様です。
シャッターの寿命を延ばす方法
シャッターの寿命を延ばすためには、シャッターの心臓部であるスプリングやモーター等の開閉器に負担をかけないように使用することです。そのためには「定期的なメンテナンス」と「適度な開閉頻度」が重要となります。
定期的なメンテナンス
シャッターはスラットとガイドレールの接触部やスプリングシャフトなどに潤滑油を使用してパーツ毎の摩擦や錆を防いでいます。これは使っていくとどうしてもなくなっていき、接触部が腐食して余計な摩擦が生じていきます。これを防ぐために定期的に潤滑油を補充しましょう。ホームセンターで売っているクレ551のようなシリコンスプレーで結構ですので半年に一度程度の頻度でガイドレールにスプレーしてください。本当はスプリングにもオイルをかけたいのですが、シャッターボックスの中で一般の方が作業するのは非常に危険なのでやめた方が良いでしょう。本当に全体のメンテナンスをしたいとお考えでしたら5年に一度の頻度でシャッター業者に頼むのも良いと思います。メンテナンスの詳しい方法は下記にまとめてありますのでこちらも参考にしてください。
適度な開閉頻度
あまり知られていませんが、シャッターを長期間閉めた状態で放置するとスプリングの劣化を早めます。手動シャッターと軽量電動シャッターはスプリングの力を利用してシャッターの開け閉めを行いますので、閉めた状態のスプリングはスラットによって引っ張られている状態で高い負荷がかかっています。この状態で長期間置くとスプリングの巻きが甘くなっていき、シャッターを上げるとき大きな力が必要となってきます。シャッターのスプリングを休ませる意味でも出来ればシャッターは一月に1回は上げるようにしてください。
シャッターの寿命に耐用年数と耐用回数をもちいるのはパーツの腐食以外にもこういった要素があるためです。
シャッターの適切な交換タイミングは?
シャッターの調子が悪く、シャッター業者に見てもらうと、シャッターの全交換の提案を受けることがあると思います。業者側としては工事金額が高くなるほど利益が出やすいですし、修理後のトラブルも少ないので交換を勧めたいものです。一方、ユーザーの皆さんは出来るだけ安価にシャッターを使い続けたいですよね。ここではシャッターの交換タイミングを忖度なしに説明します。
手動シャッターの場合
10年以上使用しており、スプリングシャフトの劣化が進んでいる場合、シャッターの交換タイミングとみていいでしょう。ただスラットや水切りに腐食がなくこれから10年使えそうでしたらスプリングシャフトのみの交換でも大丈夫です。また単にシャッターを上げるのが重いという症状でしたらスプリングのまき直しを行うことで改善する見込みがあります。ただしこのまき直しは一つのスプリングシャフトに1回までの手段で、2回目以降はスプリングシャフトの劣化が進んでいるので巻きなおす余地が残っていてもすぐにまた重くなってしまうので基本的に提案はしません。
電動シャッターの場合
電動シャッターは駆動機構(モーター)が故障するまでは交換する必要がありません。
手動シャッターと違い、シャッターを上げるのが経年で重くなるというデメリットがありませんので基本的に全ての部品を寿命いっぱい使用することが出来ます。そもそも電動シャッターは30万円を超える高額な商品ですので、制御盤の故障なども部品交換で対応する方がコストパフォーマンスに優れます。モーターが故障した場合も全交換ではなくモーター交換を選択肢に入れてよい場合もあるので電動シャッターの交換に対してはよくご検討ください。
シャッター交換の相場は
シャッターの金額は大きさとシャッターの種類で変わってきます。一番注文の多い、車1台分のシャッターの場合は手動シャッターで20万円、電動シャッターで35万円程度が標準的な価格となります。シャッターの交換は新規設置と違い既存のシャッターの撤去や処分の費用がかかる分、金額が高くなる傾向にあります。またこの記事を書いている2022年現在はコロナの影響でコンテナ不足等で物流コストが跳ね上がったことで全てのシャッター工事が値上がり傾向にあるのでタイミングでも価格はかなり変わってきます。損したくない場合は複数業者から相見積もりを取ることで適正な金額で工事を発注することが出来ます。シャッター工事にまつわる費用相場は下記に詳しく書きましたのでこちらも参考にしてください。
まとめ
最後に今回の記事をまとめます。
- シャッターの一般的な寿命は10年~15年
- 法定の耐用年数はおよそ20年
- 長いと30年はもつ、海辺は5年もたない
- 手動シャッターはスプリングのまき直しで1回だけ復活する可能性が高い
- 電動シャッターは部品交換で長く使うという選択肢もある
なにかシャッターのことでお困りごとがありましたら、ご気軽にご相談ください。相見積もりも大歓迎です。
鹿島 創一
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