電動シャッターの寿命は何年?シャッターの種類ごとの寿命も紹介

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電動シャッターの寿命は何年?シャッターの種類ごとの寿命も紹介

シャッター修理の豆知識
更新日:2024/07/23

「シャッターの動きがスムーズでなくなった」
「シャッターボックスの中から異音がする」
「シャッターを上げるのが重くなった」

こういった不具合が見られる場合、シャッターの寿命が来てしまったのかもしれません。安全性を確保するためにも、早急に原因を見つけて対処することが求められるでしょう。

ここではシャッターの寿命について、シャッターの種類毎に解説しています。シャッターの寿命を延ばすメンテナンス方法も記載しているので、シャッターの交換やシャッターを出来るだけ長く使用したい方は、ぜひ参考にしてください。

電動シャッターの寿命は?

電動シャッターを利用する際には、長期的に使っていくことが1つの課題になります。メンテナンスをこまめに行い、トラブルを早めに見つけて対処していくことが、シャッターを長く使うコツになるでしょう。しかし、どれだけ丁寧に利用していても、使用期間が延びるといずれ電動シャッターにも寿命が来てしまいます。

電動シャッターの利用時には、どのくらいの寿命が想定されるのか、寿命が短くなる・長くなる原因について把握しておくのがポイントです。以下では、電動シャッターのおおよその寿命の目安と、寿命が短くなる場合・長く使える場合について説明します。

 

寿命の目安は10~15年

シャッターの寿命は、耐用年数と耐用回数で決められており、早く到達する方がデータとして採用されます。多くの場合、電動シャッターの寿命の目安は10~15年程度となっています。基本的に電動シャッターは、開閉するごとに駆動部が劣化していきます。そのため使用回数が増加すると、単純に寿命は短くなります。

一方で、まったく動かさなくても腐食によって、少しずつ部品は劣化していきます。各メーカーが公開しているデータを参考にすると、シャッターのサイズや種類によって、シャッターの寿命は定められています。

 

最短で寿命は約3年

電動シャッターの寿命は、先の通り10~15年程度が目安になります。一方で、使用する場所によって、例外的にシャッターの寿命が短くなるケースもあります。例えば海岸沿いのように塩害の恐れがある場所では、寿命が短くなる傾向にあります。電動・手動ともに5年ほどでシャッターの部品が腐食していき、様々な不具合が出ることが多いです。

最短で3年ほどまで寿命が縮まるケースもあるため、シャッターを使う場所には注意が必要となります。腐食に強いフルステンレスのシャッターを使うという選択肢もありますが、価格がスチールのおよそ3倍になるので、費用対効果としておすすめできません。

 

最長で寿命は約40年

シャッターの寿命は、メーカーごとに大体10年〜15年程度となっています。しかし、この数値はあくまで目安になるため、実際にはそれより短い場合もあれば、長い場合もあります。そもそもシャッターの寿命といっても、定義は人によって異なります。例えば高齢の方がシャッターの上げ下げを重く感じるようになった場合、「使えなくなった」と判断するケースがあるでしょう。

一方で、同条件で若い方が使用する場合、まだシャッターの寿命は来ていないと考えるのが一般的です。使用する人など様々な条件によって、シャッターの寿命は変化することが分かります。メーカーの提示する耐用年数が10年だからといって、10年経ったらシャッターが突然使えなくなるわけではありません。

ただ、最初のころよりは大分動きが悪くなることは想定されるでしょう。私の経験上ですが、多くの方は手動シャッターは15年以上ご使用になっています。もちろん10年以上使用している手動シャッターはスプリングの劣化が進んでいるので、上げるのが重くなっており、その重さを我慢して使っているという前提です。

中にはノーメンテで40年以上使用し続ける場合もありますので、この辺は完全に環境に依存します。重い・軽いは個人の感覚にもよるので、実際の寿命は同じシャッターでも変化するのが基本です。

 

電動シャッターの法定耐用年数

シャッターの法定耐用年数は、基本的に建物として計上されることが法令で定められています。これはシャッターの規模によりますが、金属製の車1台分のシャッターなら、概ね19年〜22年が国が定めたシャッターの耐用年数となります。この数字は実用の耐用年数ではなく、減価償却する際に「その年数で割った費用」を毎年経費に計上出来るというものです。

電動シャッターも手動シャッターも、同様にこの耐用年数が適用されるので、減価償却が終わらないで交換にいたるケースは珍しくありません。詳しい数字は国税庁のホームページに記載されているので、こちらも参考にしてください。判断が難しい場合には、税理士さんに確認するのが確実です。

 

電動シャッターで早く寿命がくる箇所

電動シャッターで早く寿命がくる箇所には、以下の部分が当てはまります。

  • モーターや制御盤
  • ドア・サッシ部、懸架部
  • スプリングシャフト(手動シャッター)

 

モーターや制御盤

シャッターは、それを動かす可動部分である軸部分・軸受部分・昇降機構などの寿命が早くに来るケースが多いです。つまり電動シャッターであれば、モーターか制御盤が該当します。シャッターの使用年数が重なっていくうちに、異音や開閉時に隙間が生じることや、部品の変形・損傷などが見られます。

耐用年数・耐用回数を超えたシャッターについては、点検結果に基づいた部品交換が必要です。また、災害などでシャッターが破損を起こし、故障した場合も同様です。

 

ドア・サッシ部、懸架部

ドア・サッシ部・懸架部に使われる部品も、摩耗が進みやすいので劣化が早いです。レールからシャッターが外れてしまうと、それだけで部分的に破損してしまいます。ガタガタとシャッターが音を立てて揺れるような場合、メンテナンスが必要だと考えておきましょう。

この変化はだいたい5年〜6年目にはあらわれますのが、使用年数で考えずに開閉時の違和感を感じる場合は点検を行いましょう。

 

スプリングシャフト(手動シャッター)

手動シャッターの場合、スプリングシャフトは寿命がきやすい部分と言われています。一般にシャッターがおりている時間が長いほど、寿命は短くなるとされています。これは、シャッターがおりている状態が、最もスプリングに負荷をかけていることが理由です。

そのため、長期間シャッターを放置している場合、耐用年数未満でも部品交換が必要になることがあります。

 

シャッターの種類別寿命

先の解説通り、メーカーによってシャッターの寿命は公開されています。各種データを引用すると、シャッターのサイズや種類によって、下記のようにシャッターの寿命は定められています。

種類 – 設計耐用年数 – 設計耐用回数

窓シャッター  10年  7,000回

軽量電動式シャッター  10年  10,000回

軽量手動式シャッター  10年  5000回

重量電動式シャッター  15年  10,000

重量手動式シャッター  15年  2,000回

高速シャッター  15年  10,000回

高頻度グリルシャッター  10年  30万回

高速高頻度シャッター  10年  30万回

ブロードシャッター  15年  10,000回

参考:https://www.sanwa-ss.co.jp/general/mainte/inspection/

 

代表的な電動シャッターの寿命

電動シャッターにはいくつか種類があり、それぞれ寿命も異なります。例えば代表的な電動シャッターには、以下のものがあります。

  • 軽量電動式シャッター
  • 重量電動式シャッター

各種シャッターの寿命について確認し、どの程度の期間利用できるのか事前に把握しておくのがポイントです。以下では、軽量電動式シャッターと重量電動式シャッターの基本と寿命について解説します。

 

軽量電動式シャッター

軽量電動式シャッターとは、その名称通り軽い素材で製造された電動シャッターです。電動で駆動するため直接重さを感じる機会は少ないですが、万が一手動で動かす必要が出た場合にも対応しやすいのが特徴です。​​また、シャッタースラットが薄いため、防火用として使用することはできません。

軽量電動式シャッターは、住宅やマンションの駐車場、倉庫の間口などで使用されることが多いです。軽量電動式シャッターの寿命は10年、耐久回数は10,000回程度が目安です。

 

重量電動式シャッター

重量電動式シャッターとは、軽量シャッターよりもスラットが厚くなっていて、重さのある種類を指します。具体的には電動式で、かつシャッタースラットの厚みが1.6ミリ以上の場合、重量電動式シャッターに分類されます。一般的な重量電動式シャッターのスラットは板状となっていますが、中にはパイプでできたパイプシャッターと呼ばれる種類もあります。

重量電動式シャッターはビルや工場など、商用施設で使用されるケースが多いです。大規模な施設で採用されやすいことから、防火性などに優れているのも特徴です。重量電動式シャッターの寿命は15年程度、耐久回数は10,000回程度です。

 

代表的な手動シャッターの寿命

手動シャッターにも複数の種類があります。それぞれに特徴・寿命の目安があります。いくつか種類があり、それらの寿命について説明します。

  • 軽量手動式シャッター
  • 重量手動式シャッター

 

軽量手動式シャッター

軽量手動式シャッターとは、簡単に動かせる軽さになっているシャッターです。スムーズな動きが可能なため、誰でも気軽に利用できる点が特徴です。軽量手動式シャッターに使用されるのは、スチール・アルミ・ステンレスといった軽量な素材です。取り付けも簡単なため、導入のしやすさもメリットになります。

一般的に軽量手動式シャッターは、住宅・店舗の窓といった、比較的狭い場所で使用されています。日常的に使うことを想定した場所では、軽量手動式シャッターが役立つでしょう。軽量手動式シャッター寿命は10年、耐久回数は5000回程度になります。

 

重量手動式シャッター

重量手動式シャッターとは、電動と同様に厚みが1.6ミリ以上のシャッタースラットが使用されているものを指します。防火シャッター・防煙シャッター・パイプシャッターなどの種類があり、建築基準法によって設置の条件等が定められています。その性質と重さから、主に商業施設や大規模商業施設で使用されています。

一般家庭等で重量手動式シャッターを使用する機会は少ないですが、防火・防炎目的で導入するケースも考えられます。ただし、コストが高いため経済的な負担が大きくなる点は注意が必要です。重量手動式シャッターの寿命は15年程度、耐久回数は2,000程度です。

 

電動シャッターの寿命を延ばす方法

  • 定期的なメンテナンス
  • 日常の清掃作業
  • 適度な開閉頻度

 

定期的なメンテナンス

電動シャッターは、スラットとガイドレールの接触部や、スプリングシャフトなどに潤滑油を使用してパーツ毎の摩擦や錆を防いでいます。使用年数・回数が増えるほど潤滑油は消費されるため、段々と接触部が腐食して余計な摩擦が生じていきます。摩擦による劣化を防ぐためにも、定期的に潤滑油を補充しましょう。

ホームセンターで売っているクレ551のようなシリコンスプレーで結構ですので、半年に一度程度の頻度でガイドレールに使用してください。スプリングにもオイルをかけるのが理想ですが、シャッターボックスの中で一般の方が作業するのは非常に危険なため、避けるべきだと言えます。

 

全体のメンテナンスをしたいとお考えでしたら、5年に一度の頻度でシャッター業者に頼むのも良いでしょう。メンテナンスの詳しい方法は、下記にまとめてありますのでこちらも参考にしてください。

シャッターの寿命が延びるメンテナンス方法を解説!

 

日常の清掃作業

電動シャッターの寿命を伸ばすには、日常の清掃作業も重要です。こまめにシャッターの周辺や本体を掃除し、汚れを落として清潔に保つことが、寿命を延長することにつながります。掃除を怠って汚れを放置していると、サビ等が発生して使用に支障が出る可能性があります。

結果的に電動シャッターの寿命が縮まり、大掛かりなメンテナンスが必要になるケースも懸念されるでしょう。電動シャッターを日常的に清掃する際には、まず水拭きをしてから乾拭きを行って汚れと水分を拭き取ります。簡単には取れない汚れが残っている場合には、洗剤を使用して時間をかけて掃除するのがおすすめです。

特に電動シャッターのガイドレール部分などは、汚れが溜まりやすいため、こまめな清掃が必要になるでしょう。

 

適度な開閉頻度

あまり知られていませんが、シャッターを長期間閉めた状態で放置すると、スプリングの劣化が早まります。手動シャッターと軽量電動シャッターは、スプリングの力を利用してシャッターの開け閉めを行うため、閉めた状態のスプリングはスラットによって引っ張られている状態で高い負荷がかかっています。

この状態で長期間放置すると、スプリングの巻きが甘くなっていき、シャッターを上げるとき大きな力が必要となってきます。シャッターのスプリングを休ませる意味でも、出来れば1月に1回はシャッターを上げるようにしてください。シャッターの寿命に耐用年数と耐用回数をもちいるのは、パーツの腐食以外にもこういった要素があるためです。

 

シャッターの適切な交換タイミング

シャッターの調子が悪い場合、専門業者に依頼して点検・修理を行うことが検討されます。シャッター業者に点検してもらう場合、シャッターの全交換の提案を受けることもあるでしょう。業者側としては工事金額が高くなるほど利益が出やすく、修理後のトラブルも少ないため、交換を勧めたいと考えるのが一般的です。

一方で、修理を依頼する側は、出来るだけ安価にシャッターを使い続けることを望んでいるでしょう。そこで以下から、シャッターの交換タイミングを忖度なしに説明します。

 

電動シャッターの場合

結論から言うと、電動シャッターは駆動機構(モーター)が故障するまで、交換する必要がありません。手動シャッターと違い、シャッターを上げるのが経年で重くなるというデメリットがありませんので、基本的に全ての部品を寿命いっぱいまで使用することが出来ます。

そもそも電動シャッターは30万円を超える高額な商品ですので、制御盤の故障なども部品交換で対応する方が、コストパフォーマンスが良くなります。モーターが故障した場合も、全交換ではなくモーター交換だけで済む場合があるため、電動シャッターの交換時には慎重な判断が求められます。

 

手動シャッターの場合

手動シャッターの場合、10年以上使用しており、スプリングシャフトの劣化が進んでいるのなら、交換タイミングと考えて良いでしょう。ただし、スラットや水切りに腐食がなく、これから10年程度の使用も問題なさそうだと判断できる場合には、スプリングシャフトのみの交換でも対応可能です。

また、単にシャッターを上げるのが重いという症状の場合、スプリングのまき直しを行うことで改善する見込みがあります。ただし、このまき直しは一つのスプリングシャフトに1回までの手段となっている点に注意が必要です。2回目以降はスプリングシャフトの劣化が進んでいるので、巻きなおす余地が残っていてもすぐにまた重くなってしまいます。

そのため2回目以降に関しては、交換を検討する必要があるでしょう。

 

シャッターの適切な交換タイミング

手動シャッターにおいて、10年以上使用しており、スプリングシャフトの劣化が進んでいる場合、シャッターの交換タイミングとみていいでしょう。ただスラットや水切りに腐食がなくこれから10年使えそうでしたらスプリングシャフトのみの交換でも大丈夫です。

電動シャッターは駆動機構(モーター)が故障するまでは交換する必要がありません。

手動シャッターと違い、シャッターを上げるのが経年で重くなるというデメリットがありませんので基本的に全ての部品を寿命いっぱい使用することが出来ます。

 

電動シャッターの寿命を理解して、長持ちさせる扱い方をしよう

電動シャッターの寿命は、10~15年程度が目安となります。定期的なメンテナンスや適切な使い方を意識することで、トラブルに見舞われることなく電動シャッターを寿命まで使い切ることができるでしょう。コストパフォーマンスを最大限に活かすためにも、電動シャッターの寿命の目安を確認し、どの程度使い続けられるのか確認しておくのがおすすめです。

電動シャッターの寿命は、様々な要因で変化します。掃除や点検を怠ったり、部品が腐食しやすい場所で使用すると、最短で3年程度まで寿命が縮まってしまう可能性があります。逆にしっかりと管理を行い、丁寧に使用することで最長40年程度まで使い続けることも可能です。

この機会に電動シャッターの寿命を延ばす方法をチェックし、長持ちさせられるように備えておきましょう。

 

最後に今回の記事をまとめます。

シャッターの一般的な寿命は10年~15年

法定の耐用年数はおよそ20年

長いと30年はもつ、海辺は5年もたない

手動シャッターはスプリングのまき直しで1回だけ復活する可能性が高い

電動シャッターは部品交換で長く使うという選択肢もある

なにかシャッターのことでお困りごとがありましたら、ご気軽にご相談ください。相見積もりも大歓迎です。

 

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鹿島 創一

シャッターの大手メーカーを経て現職へ。Web担当ではありますが現場仕事も大好き。趣味は猫カフェ巡り。

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