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【動画あり】プロが教えるガレージシャッターの寿命を10年延ばすメンテナンス方法
- シャッター修理の豆知識
- 更新日:2019/12/05
シャッターの寿命はどの程度かご存知でしょうか?一般的に10~15年程度といわれていますが、使い方や環境によって変わる部分でもあるので、実際にはこの限りではありません。これまで20年以上多くのシャッターを見てきましたが、5年程度で不具合が出るものもあれば30年以上修理もなく元気に動いている工場のシャッターなどもありました。またシャッターの寿命を決める要因のひとつとして、メンテナンスの有無があります。
今回の記事では、シャッター職人が薦めるシャッターのメンテナンス方法をご紹介いたします。「最近シャッターが重くなってきた」「せっかく高いお金で電動シャッターを設置したので長く使いたい」など、シャッターでお悩みの方にとって参考になれば幸いです。
目次
手動シャッターのメンテナンス方法
まずは手動シャッターのメンテナンス方法について説明した動画をご紹介いたします。手動シャッターが重いと感じる場合は、動画にあるメンテナンス方法を試してみると改善することもあるのでぜひ試してみてください。
以上が手動シャッターのメンテナンス方法となります。手順は大きく2つです。
①レールを掃除する
②シリコンスプレーで滑りをよくする
もしこちらのメンテナンス方法でもシャッターの重さが変わらない場合は、シャッターケース内のスプリングが緩んでいる可能性があるので専門業者に相談してみましょう。
電動シャッターのメンテナンス方法
続いては電動シャッターのメンテナンス方法についての動画となります。電動シャッターの動きが悪い場合、動画にあるメンテナンス方法を試してみると改善することもあるのでぜひ試してみてください。
以上が電動シャッターのメンテナンス方法となります。基本的に手動シャッターと同様に手順は大きく2つです。
①レールを掃除する
②シリコンスプレーで滑りをよくする
また電動シャッターで動きがおかしい場合は、メンテナンス不足による不具合の他にも、センサーの感知に異常をきたしているケースもあります。基本的に、電動シャッターには安全装置が装備されており、下降中に障害物を感知すると動作を止める機能が備わっています。感知エリア内に障害物があると、それを感知することによって動作に影響が生じている可能性も考えられます。このケースでは、シャッターの動作に影響を与えている障害物を除去することで解決するので試してみてください。
以上が電動シャッターの動作に異常がある場合の対処方法となります。この場合も手順は大きく2つです。
①電源を切る
②センサーが感知している障害物を除去する
もしこれらの方法を試しても症状が改善されない場合は、修理が必要となる可能性があるので専門業者に相談してみましょう。
メンテナンスの頻度は?
シャッターの寿命を延ばすためにも適切にメンテナンスを行うことが重要なカギとなります。なぜメンテナンスを行うことがシャッターの寿命を延ばすことにつながるのか、またどの程度の頻度で行うと効果的なのかご紹介いたします。
シャッターメンテナンスが寿命を延ばす理由について
シャッターは外部にある場合が多いことから、日常的に風雨など外的要因に影響を受けています。このことから、シャッターのレールには、ほこりなどの不純物が堆積しやすくスムーズな動きを妨げる原因となることがあるのです。
重量のあるシャッターを巻き上げるためには、シャッターケース内のスプリングが大きな役割を果たしています。しかしスラット部分に汚れが付着した状態で何度も巻き上げると、スプリングまで汚れてしまい、巻き上げの動作に影響を与えます。スプリングに汚れが堆積すると、異常音を発するようになり、劣化の進行を早めてしまう原因にもなります。
またシャッターの多くは金属製なので劣化やキズなどが原因となって錆びてしまい、見た目にも悪く景観を損ねることにもなるでしょう。これらの理由から、シャッターのメンテナンスを行うことが寿命を延ばすことにつながるというわけです。
自分でできるメンテナンスの頻度について
シャッターは外部に設置されていることが多く、汚れやすい環境にあることが特徴です。したがって日常から手軽なメンテナンスやお手入れはこまめに行い、できるだけきれいな状態を維持することが非常に重要となります。外側に付着した汚れは週に1回程度を目安として拭き掃除をしておいたほうがよいでしょう。とくに風が強い日や台風などは、泥やほこりがいつもよりも多く付着している可能性が高いので意識してチェックする必要があります。
さらに半年の1回程度は洗剤を使用して本格的な掃除をしておくことをおすすめいたします。このころには水拭きでは取れない汚れなども付着している可能性も高いので、中性洗剤を薄めてスポンジなどで丁寧に取り除くとよいでしょう。また電動シャッターを水洗いする場合は、シャッターケース内の電気系統に水が及ばないよう気をつけて作業を行うことが重要です。そして水分を拭き取り、レールなど可動部にはシリコンスプレーを吹き付けておきましょう。
業者に依頼するメンテナンスについて
シャッターは自分でできるメンテナンスをこまめに行うことで劣化の進行を遅らせ、寿命を延ばすことにつながります。ただし不具合の原因がわからない場合や、自分では解決できないトラブルが発生している場合は、できるだけ早めに専門業者に依頼することが重要です。そのまま使用し続けると事態は深刻化することもあり、場合によっては全体を交換しないといけなくなる可能性もあります。そうならないよう、できるだけ早くプロの専門業者に相談して解決策を探ることが最も賢明な対処方法となるでしょう。
実際にシャッターの寿命ってどのくらい?
シャッターにはいくつかの種類があり、それぞれに目安となる耐用年数があります。この耐用年数は1日の平均的な開閉回数が2回程度になることを目安としているので、それ以上に及ぶ場合は耐用年数も相対的に短くなります。したがって、使い方や使用する環境によっても変わってくる部分となるので、耐用年数までは十分時間があるから大丈夫だと判断するのは危険ということです。こまめなメンテナンスと、異常を感じたら速やかに専門業者に相談することが長持ちさせるためのコツとなります。
それではシャッターの種類別の耐用年数をご紹介いたします。
種類 | 設計耐用年数 | 設計耐用回数 |
窓シャッター | 10年 | 7,000回 |
軽量電動式シャッター | 10年 | 10,000回 |
軽量手動式シャッター | 10年 | 5,000回 |
重量電動式シャッター | 15年 | 10,000回 |
重量手動式シャッター | 15年 | 2,000回 |
高速シャッター | 15年 | 10,000回 |
高頻度グリルシャッター | 10年 | 300,000回 |
高速高頻度シャッター | 10年 | 300,000回 |
ブロードシャッター | 15年 | 10,000回 |
なお、メーカーによっては耐用年数や耐用回数が異なることがあります。
その他シャッターを利用する上で注意した方が良いこと
シャッターを長く快適に使用するには、こまめなメンテナンスが必要です。またその他にも注意しておいたほうがいよいことがありますが、そのいくつかについてご紹介いたします。
閉めっぱなしに注意
シャッターを長期間閉めっぱなしにしておくと、劣化の進行が加速する場合があるので注意が必要です。シャッターを閉めっぱなしにすると、換気されないことから内部の空気は入れ替えが行われず滞留します。空気は、ある一定量の水分を含むことができますが、温度が高いほどその量が多く、また低いほど少なくなります。とくに冬においては、温度の高い部屋で水分を多く含んだ空気が窓の付近など温度の低い場所で急激に冷やされると、空気に含まれた水分は限界量を超えてしまいます。限界を超えた空気中の水分は追い出されるように水滴となって表面化しますが、この現象が結露です。
換気を行う目的のひとつは、水分を含んだ空気を外部に排出することです。しかし換気が行われず空気が滞留し、とくに温度にムラがある室内ではいたるところで結露を起こし、さまざまな悪影響を及ぼします。シャッター周辺などは外部温度の影響を受けやすいので、冬には結露が発生して水滴が付着するなど、よくない環境が生まれやすくなります。そうなると、シャッターはサビなどが発生しやすく劣化の進行を促すことになるでしょう。したがってシャッターを閉めっぱなしにすることには注意が必要で、できるだけ換気をすることが重要です。まったく使用しないシャッターでも、せめて1ヶ月に1回は上げ下げを行うことを心がけましょう。
シャッターの変形に注意
シャッターに車などをぶつけてしまうことで、スラットは変形することがあります。スラットが変形すると、開閉の作動時にはレールへ干渉して異音を発したり、あるいは上げ下げが正常にできなかったりする場合もあります。またスラットが変形した状態で強引に巻き上げると、他の部位までが破損してしまうことにもなりかねません。したがって、このようなケースではできる限り作動させることは控え、速やかに専門業者に修理を依頼することが重要です。
スラットは、複数の部材を組み合わせて構成されているので、部分的な交換も可能です。ただし古いタイプのものは在庫がない場合もあり、そうなるとデザインが変わってしまうことなどもあります。
そして交換の作業が難しい環境では、大掛かりな交換工事が必要な場合もあるので、防犯のためにも専門業者と早期に連絡を取って相談する必要があるでしょう。
まとめ
シャッターは雨や風などの外的要因から建物や車などを守る役割があり、また防犯対策としても大いに機能します。快適な生活をささえるためにも、こまめにメンテナンスを行い、動作不良などを抑制することが重要です。シャッターは経年とともに必ず劣化しますが、使い方やメンテナンスに注意することでその進行を抑えることが可能となります。自分でできるメンテナンスはこまめに行い、動作不良が改善されない場合や対応できない専門的な分野については、できるだけ早期にプロの専門業者に相談することが重要です。