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シャッターの耐用年数とは?物理的な寿命と法定耐用年数の違いを解説
- シャッター修理の豆知識
- 更新日:2025/10/07

シャッターの交換や修理を検討する際、「耐用年数」のワードを耳にする機会も多いでしょう。
シャッターの耐用年数には複数の意味があり、正しく理解していないと適切な判断ができません。
この記事では、シャッターの耐用年数や不具合なく使うためのメンテナンス方法をわかりやすく解説します。
経営者・個人事業主が気になる税務処理についても解説しているので、最後までご覧ください。
記事の内容を参考にして、無駄な交換コストを避けながら、安全にシャッターを利用していきましょう。
目次
シャッターの耐用年数には2つの意味がある

シャッターの耐用年数には、以下2つの意味が存在します。
- 物理的な寿命|使える年数の目安
- 法定耐用年数|税金のルールとして決められた年数
一つは「実際に使用できる期間を示す物理的な寿命」を、もう一つは「税務上のルールで定められた法定耐用年数」を表します。
2つの意味を混同すると、メンテナンス計画や税務処理で誤った判断をしてしまう可能性があります。
物理的な寿命|使える年数の目安
物理的な寿命とは、シャッターが安全かつ正常に動作する年数です。使用環境や頻度によって変動しますが、業界団体が目安を示しています。
一般社団法人日本シヤッター・ドア協会では、シャッター用機器の推奨更新期間を10年に設定しています。
参考:一般社団法人日本シヤッター・ドア協会|シャッター用制御機器更新について
ただし、この推奨期間はあくまで目安であり、定期的なメンテナンスを行った場合の数値です。
使用頻度が高い場合や過酷な環境下では、より短い期間で交換が必要になる可能性があります。
シャッターの交換時期の目安を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
法定耐用年数|税金のルールとして決められた年数
法定耐用年数は、国税庁が税務上の減価償却計算で使用する年数として定めた基準です。実際に使用できる期間とは関係なく、税法上のルールとして一律に適用されます。
シャッターは減価償却資産のうち「建物」に分類され、法定耐用年数は建物の構造により異なります。
| 建物の構造 | 法定耐用年数 |
|---|---|
| 木造 | 12年〜24年 |
| 鉄筋コンクリート造 | 31年〜50年 |
| 金属造 | 17年〜38年 |
なお、法定耐用年数を過ぎたシャッターは、税法上資産価値がゼロになります。
【種類別】シャッターの寿命(耐用年数)の目安

シャッターの寿命は構造や動力方式などにより異なります。代表的なシャッターの種類と耐用年数は以下のとおりです。
| 種類 | 目安年数 | 設計耐用回数 |
|---|---|---|
| 軽量手動シャッター | 10年 | 5,000回 |
| 軽量電動シャッター | 10年 | 5,000回 |
| 重量手動シャッター | 15年 | 2,000回 |
| 重量電動シャッター | 15年 | 10,000回 |
電動シャッターは手動タイプに比べて寿命が長い傾向にあります。これは電動モーターが一定の力で開閉するため、部品への負荷が均等になるからです。
手動の場合は操作する人の力加減によって負荷が変わり、部品の摩耗が不均一になりがちです。
なお、電動シャッターで寿命がきやすい部分や交換タイミングなどを詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
メーカーによってシャッターの耐用年数は異なる?

主要メーカーのシャッター耐用年数は、製品の品質や設計によって若干の差があります。
| メーカー | 耐用年数 |
|---|---|
| 三和シャッター工業 | 10年〜15年 |
| 文化シャッター | 10年〜15年 |
| 東洋シャッター | 15年 |
メーカー保証期間や部品の供給期間も耐用年数に影響を与える要素です。
通常メーカー保証は1〜2年程度に設定されており、期間内に発生した製品の不具合は無償で修理してもらえます。
また、シャッターを修理するためには交換部品が必要ですが、部品の供給期間は製品の製造終了後10年程度が目安です。
つまり、製造終了後10年以上経過したシャッターは、修理したくても部品が手に入らない可能性があります。
なお、シャッター交換を検討している方は、プロ目線でおすすめのシャッターメーカーランキングの記事を参考にしてください。
シャッターの寿命(耐用年数)を縮める原因

シャッターの寿命を縮める原因は、以下のとおりです。
- 開閉の頻度が多く部品が摩耗する
- 屋外設置で風雨や塩害の影響を受けやすい
- ホコリや異物がレールに詰まった状態でメンテナンスを怠る
シャッターの寿命は使用条件や環境によって大きく左右されます。適切な管理を怠ると、本来の耐用年数よりも早く交換が必要になってしまいます。
開閉の頻度が多く部品が摩耗する
シャッターの開閉頻度が多いと、各部品の摩耗が進行し寿命が短くなります。
シャッターはスラットや巻き取りシャフト、スプリング、ガイドレールなど、多くの可動部品で構成されており、開閉するたびに各部品は少しずつ摩耗していきます。
とくに店舗の入り口や駐車場の出入り口など、1日に何度も開閉する場所では、住宅用シャッターに比べて部品の摩耗が速く進むのが一般的です。
メーカーが想定している耐用回数を早期に超えてしまうため、結果的にシャッターの寿命が短くなります。
屋外設置で風雨や塩害の影響を受けやすい
屋外に設置されたシャッターは、風雨の影響を直接受けます。強風時には過度な負荷がかかり、スプリングやワイヤーが破損するケースも少なくありません。
シャッターのレールに雨水が溜まると、錆が発生したり電気系統がショートしたりする可能性もあります。
また、海岸地域では塩分を含んだ風により、金属部品の腐食が進行しやすいため注意が必要です。
屋外にシャッターを設置する場合は、防錆処理された製品の選択や、定期的なメンテナンスがいっそう重要になります。
ホコリや異物がレールに詰まった状態でメンテナンスを怠る
シャッターのレールに、砂やホコリ、落ち葉などの異物が詰まった状態で無理に開閉を続けると、傷や歪みの原因になります。
また、レール内の異物は、シャッターの動きをスムーズにするための戸車やローラーの摩耗を早め、開閉時の異音や動作不良につながります。
電動シャッターの場合、作動時の負荷がモーターやスプリングの故障を早めてしまうことも少なくありません。
定期的な清掃やメンテナンスを怠ると、シャッターの寿命を縮めてしまうため注意が必要です。
なお、シャッターが故障する原因と対処法を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
耐用年数いっぱい不具合なく使うためのシャッターメンテナンス方法

耐用年数いっぱい不具合なく使うためのシャッターメンテナンス方法は、以下のとおりです。
- レールやスラットを定期的に清掃する
- 可動部にはシリコンスプレーで注油する
- シャッター修理のプロに頼んで定期点検を実施する
適切なメンテナンスを実施すれば、シャッターを耐用年数まで安全に使用できます。ここでは、専門的な知識がなくても簡単にできるメンテナンス方法を紹介します。
レールやスラットを定期的に清掃する
シャッターのメンテナンスの基本は、定期的な清掃です。まず、水で濡らして固く絞った布でレール部分を拭き、ホコリやゴミなどを丁寧に取り除きます。
汚れがひどい場合は中性洗剤を薄めた液で拭いた後、洗剤が残らないように乾拭きしてください。
次に、シャッターのスラット(羽根板)の表面と裏面も同様に水拭きで汚れを落とします。
スラットの連結部分に溜まった汚れをかき出すように拭き取ると、より動きがスムーズになるでしょう。簡単な清掃を年に2〜4回程度行うだけでも、シャッターの寿命を延ばせます。
可動部にはシリコンスプレーで注油する
シャッターの可動部分には定期的な注油が必要です。2〜3ヶ月に1回程度、ローラーやベアリング、ヒンジ部分にシリコンスプレーを塗布しましょう。
シリコンスプレーは潤滑効果が高く、ホコリを寄せ付けにくい特性があります。
一般的なオイルと比較して、汚れが付着しにくく長期間効果が持続するため、シャッターメンテナンスに適しています。
注油時は過剰な塗布を避け、薄く均等にスプレーするのがポイントです。余分なスプレーは布で拭き取り、ホコリの付着を防止します。
なお、シリコンスプレーを塗布する際は、電気系統に直接かからないよう注意して作業しましょう。
シャッターの寿命を延ばすメンテナンス方法をより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
シャッター修理のプロに頼んで定期点検を実施する
日常的な清掃や注油に加えて、シャッター修理の専門業者に依頼して、定期的な点検の実施をおすすめします。
プロの目で点検してもらえば、自分では気づきにくい内部の部品の摩耗や劣化、調整のズレなどを早期に発見できます。
とくに電動シャッターの場合は、モーターや制御盤、センサーなど電気系統の点検も大切です。
不具合が小さいうちに対処すると、修理費用を抑えながら、シャッターをより長く安全に使い続けられます。
なお、シャッター業者の選び方を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【法定耐用年数の基礎】シャッターの税務処理を解説

以下の項目に沿って、シャッターの税務処理を解説していきます。
- 減価償却は法定耐用年数に基づいて行う
- 購入・修理・交換する場合の勘定科目を理解しておく
- シャッターの保有には固定資産税がかかる
建物に設置されたシャッターは税法上資産として扱われ、取得費用は法定耐用年数に基づいて減価償却を行う必要があります。基本的な税務処理の方法を確認しておきましょう。
減価償却は法定耐用年数に基づいて行う
税法上では、シャッターを含む「資産」の価値は、時間経過とともに減少していくものとされています。
そのため、シャッターの取得費用は購入した年に全額経費として計上するのではなく、税法で定められた法定耐用年数の期間、分割して費用計上(減価償却)を行います。
前述のとおり、シャッターは「建物」に分類され、建物構造ごとに法定耐用年数が異なるのが特徴です。
たとえば、木造の事務所(法定耐用年数24年)にシャッターを取り付けた場合、シャッターの取得費用は建物本体の価値に加算され、一体のものとして減価償却を行います。開閉装置(電動機や制御盤など)の法定耐用年数は、12年に定められています。
参考:e-Gov法令辞典|減価償却資産の耐用年数等に関する省令
購入・修理・交換する場合の勘定科目を理解しておく
シャッターを購入・修理・交換する際の勘定科目は、それぞれ異なります。まず、シャッターを新たに購入設置した場合、本体の勘定科目は「建物」に分類されます。
電動機や制御盤などの開閉装置部分は、「建物付属設備」に分類される点は理解しておきましょう。
次に、既存のシャッターを修理した場合、費用がシャッターの現状を維持するためのものであれば「修繕費」で処理します。
ただし、修理でシャッターの価値を高めたり、主要パーツの交換で耐久性を増したりする改良を行った場合は、「資本的支出」とみなされる可能性があります。
資本的支出の場合、費用を「建物」として資産計上し、減価償却を行わなければなりません。
税法上の判断は専門的な知識を要するケースも多いため、基本的には税理士や会計士に相談するのがおすすめです。
シャッターの保有には固定資産税がかかる
シャッターは法律上の「家屋」の条件に当てはまるため、固定資産税がかかります。家屋の定義には、以下3つの要件が存在します。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 外気分断性能 | 屋根や周壁などによって風雨を遮断する性能 |
| 定着性 | 建造物が永続的に土地に固着している状態 |
| 用途性 | 一定の用途に使用できる空間が形成されている状態 |
シャッターは風雨を遮断し、建物の一部として永続的に固着しており、明確な用途を持つため、すべての条件を満たしています。
ただし、ホームセンターで購入できる簡易倉庫など、自分で動かせる程度の小さく定着性のないシャッターは課税対象外です。
シャッターの寿命・耐用年数に関してよくある質問

シャッターの寿命・耐用年数に関してよくある質問は、以下のとおりです。
- シャッターの耐用年数を超えて使ってもいい?
- 中古での取り付け・リフォーム時のシャッターの耐用年数は?
- シャッターの耐用年数(寿命)が近づいた時のサインとは?
- 建物の構造でシャッターの耐用年数は変わる?
シャッターの寿命・耐用年数に関して、疑問を感じている方も多いでしょう。ここでは、安全性や税務処理、交換時期の判断などをわかりやすく解説していきます。
シャッターの耐用年数を超えて使ってもいい?
シャッターを耐用年数以上に使用しても法律上問題はありません。しかし、経年劣化により重大な事故につながる可能性があるため、基本的には避けるべきです。
スプリングやワイヤーの破損は、シャッターの落下を引き起こし、人身事故や物損事故の原因となり得ます。また、電気系統が劣化すると、火災リスクも増加します。
仮に耐用年数を迎えたシャッターを使用し続ける場合は、専門業者による安全点検を実施しましょう。
中古での取り付け・リフォーム時のシャッターの耐用年数は?
中古で取り付けたシャッターの耐用年数は、法定耐用年数ではなく「中古資産の見積耐用年数」で計算されます。
計算式は「(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%」(端数は切り捨て)で、最低2年かつ法定耐用年数の20%が下限です。
たとえば、法定耐用年数15年のシャッターを製造から5年経過して取得した場合、「(15-5)+5×20%=11年」となります。
リフォームで既存建物にシャッターを後付けする場合は、建物の法定耐用年数が適用されます。
ただし、法定耐用年数は税務上で定められた数値であり、実際の使用可能年数とは異なる点には注意が必要です。
シャッターの耐用年数(寿命)が近づいた時のサインとは?
シャッターの耐用年数(寿命)が近づいてくると、さまざまな症状が現れます。
- 開閉時に異音がするようになった
- シャッターの動きが遅い・止まる
- スラットが歪んでレールから外れやすい
- モーターから焦げ臭い匂いがする・動作しない
開閉時に異音がするようになった場合は、ローラーやベアリングの摩耗が進行している可能性があります。
シャッターの動きが遅い・止まることが頻繁になったら、モーターの劣化やレールの変形などが考えられます。
もし、スラットが歪んでレールから外れたり、モーターから焦げ臭い匂いがしたりする場合は、事故につながる危険性があるため即座に使用を中止するべきです。
寿命が近づいたときのサインが現れたら、できるだけ早く専門業者に点検・修理を依頼しましょう。
日本シャッターメンテナンスでは、メーカー品質の修理を相場よりお得に提供しています。シャッターのことでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
なお、シャッターが開かない原因と対処法は、以下の記事で詳しく解説しています。
建物の構造でシャッターの耐用年数は変わる?
建物の構造でシャッターの耐用年数(寿命)が変わることはありません。ただし、設置環境や取り付け精度によって物理的な寿命が変化する可能性はあります。
たとえば、建物の歪みが大きいと、シャッターのガイドレールに無理な力がかかり、開閉がスムーズに行えなくなったり、部品の摩耗を早めたりするでしょう。
一方、シャッターの法定耐用年数は建物構造により変動します。
| 建物の構造 | 法定耐用年数 |
|---|---|
| 木造 | 12年〜24年 |
| 鉄筋コンクリート造 | 31年〜50年 |
| 金属造 | 17年〜38年 |
法定耐用年数に関する詳しい情報は、以下の資料で確認できます。
シャッターを大切に使って耐用年数内で安全に使いましょう

シャッターの耐用年数には物理的寿命と法定耐用年数の2つの意味があるため、それぞれの違いを正しく理解するのが大切です。
また、適切にメンテナンスを実施すれば、突発的な故障や高額な修理費用を避けられます。
定期的な清掃と注油、専門業者による点検を継続して、シャッターの性能を長期間維持しましょう。
シャッターの修理・メンテナンスでお困りの際は、日本シャッターメンテナンスまでお気軽にご相談ください。
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