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スプリングシャフトの交換事例【故障内容・作業・費用】
- シャッター修理施工事例
- 更新日:2021/09/24
シャッターの修理金額は同じような作業でも様々な要因で大きく変わっていきます。ここでは手動シャッターの代表的な修理内容であるスプリングシャフトの交換事例についてまとめました。修理依頼前の金額確認や相見積もりの参考にしてください。
スプリングシャフトとは
手動シャッターの開閉器です。シャフトにバネ(スプリング)が巻いてあり、このバネの力で数10kgの重量のシャッターが軽い力で上げることができます。
シャッターを上げる力はバネの巻き方で調整することができます。シャッターが年々、重くなる原因はバネが緩んでくるために起きてしまいます。初期の巻き方に依りますが大体の場合一度はスプリングのまき直しで新品同様の軽さにシャッターを調整することができます。シャッターの幅にもよりますがガレージユースなら価格は大体1本20000円~35000円で左右に2本設置しているので工賃含めて100000円程度のお見積りになることが多いです。左右のバランスがあるので基本的に片方だけ交換というわけにはいきません。メーカー推奨の耐用年数は10年ですが実際は20年以上使用しているケースもしばしばあります。
スプリングシャフトの交換が必要なケース
10年以上使用していてシャッターを上げるのが重いケース
前述の通りスプリングシャフトのメーカーはスプリングシャフトの耐用年数を10年と設定しています。実際にはマージンを持っているので15年、20年と使用できる場合もありますが結局個体差や使用頻度で変わります。弊社で10年以上使用しているもしくはすでに一度バネ調整を行っている場合はスプリングシャフトの交換をおすすめしています。無理やりまき直しを行い一時的に軽くすることはできますがすぐに(早ければ2,3日)もとの重さに戻る可能性が高いためです。
スプリングシャフトが破損して手動シャッターが上がらないケース
シャッターの耐用年数は一般に手動で10年、電動で15年と言われていますが条件によっては30年以上ノーメンテナンスで使用し続けられるケースもあります。しかしそこまで長く使っているとシャフトの腐食やビスのゆるみ、スラットのずれなどが原因でシャッターが上がらなくなることがあります。特によくあるのが腐食により弱ったシャフトがシャッターの重量に耐え切れなくなり、スプリングがちぎれるケースです。近くにいるとバチンと大きな音がしてその後はシャッターが上がらなくなります。非常に危険な状態ですのでシャッターの使用は控えて修理業者にご相談ください。
スプリングシャフトを交換する際の費用の決まり方
ざっくり取り上げると下記の3つの要素で交換費用は変わります。
- シャッターのサイズ
- シャッターボックスの位置
- シャッターのメーカー
シャッターのサイズですが当然大きければ大きいほどシャフトも大きいものが必要となるため部材費が高額になります。また大きなシャッターは作業者が一人では施工できないケースもあり、ここでも人件費も2倍になる要素があります。またご家庭のシャッターは大丈夫ですが倉庫や工場のシャッターで高さが4mを超えるような場合、高所作業車が必要なケースもあるので注意してください。
シャッターボックスの位置は露出納まりか天井納まりのどちらかになります。
多くの場合は露出納まりといわれるシャッターボックスが外に露出している形式でメンテナンスも簡単なのですが店舗などの場合見栄えを気にしてシャッターボックスを天井の中に設置する天井納まりにする場合があります。天井納まりの場合簡単なメンテナンスは点検口で可能ですがシャフトの交換のような大掛かりな作業は天井を一度外す必要が出てくるので余分な費用がかかってしまいます。
シャッターのメーカーは仕入れの価格に影響します。シャッターの部材の仕入れ値はメーカーとそのシャッター業者の関係性で大きく変わります。例えば「三和シャッターから独立した業者は三和シャッターの部材の仕入れに強い」といった形です。これはホームページなどでは判断はつきませんので実際にお見積りを見るまでご依頼の業者がどのメーカーに強いかは判断できません。
シャッター工事の費用の決まり方は下記に詳しく記述していますので、シャッター工事で損をしたくない方は一度参考にしてください。
スプリングシャフトの交換事例
三和製のガレージシャッターのスプリングシャフト交換
問い合わせ内容
ガレージについている三和製の手動シャッターが上がらない
シャッターの取り付け位置:店舗の入り口
シャッターボックス:露出納まり
シャッターの大きさ:高さ2800mm 幅2600mm スラット板厚0.5㎜
シャッターのメーカー:三和シャッター
作業内容
三和シャッター製のガレージシャッターが上がらないということでシャッターボックスを開け昇降機を確認したところ、スプリングシャフトが経年劣化で軸受けから外れていたため上げ下げができない状態になっていました。
使用して13年しており、シャフトの軸も破損していたのでシャフトの交換をおこない、動作確認およびメンテナンスも含めて1時間程度で作業は終了しました。
費用
三和製のスプリングシャフト(2000㎜):40000円
作業工賃:15000円
廃材処分費:5000円
諸経費:5000円
合計:65000円
文化製倉庫の手動軽量シャッターのスプリングシャフト交換
問い合わせ内容
シャッターが途中で引っかかって止まるようになりました。
シャッターの上げ下げも非常に重く、注油しても改善しませんでした。
シャッターの取り付け位置:店舗の入り口
シャッターボックス:露出納まり
シャッターの大きさ:高さ2700mm 幅2500mm スラット板厚0.5㎜
シャッターのメーカー:文化シャッター
作業内容
30年以上使用の軽量シャッターで、スプリングシャフトの腐食もかなり進んでいたので交換をご提案しました。
まずはシャッターケースを取り外し、古いシャフトを取り外します。
シャフトにはプーリーとシャッターカーテン(スラットをまとめたもの)がビスで固定されているのでそれぞれ外していきます。
左が古いシャフト、右が新しいシャフトです。注油等のメンテナンスもせず30年使い続けたとのこと(;^ω^)
錆によりスプリングの力が弱くなり、上げるのにかなりの力を必要としました。
新しいスプリングシャフトを設置後、プーリーとシャッターカーテンをビスで固定してシャッターの抵抗を調整して終了です。
作業時間はメンテナンス含めて約1時間でした。
費用
文化製スプリングシャフト(2500㎜):55000円
作業工賃:15000円
廃材処分費:5000円
諸経費:5000円
合計:70000円
メーカー不明の倉庫の手動シャッターのスプリングシャフト交換
問い合わせ内容
40年以上前の古い手動シャッターが動かなくなりました。 スプリングシャフトが折れていると思います。 古いためメーカーなどわからないのですが、修理することは可能でしょうか? また交換修理にかかる費用等わかりましたら教えてください。 よろしくお願いいたします。
シャッターの取り付け位置:倉庫の入り口
シャッターボックス:露出納まり
シャッターの大きさ:高さ2500mm 幅2200mm スラット板厚0.5㎜
シャッターのメーカー:不明(交換部材は三和製のスプリングシャフトを使用)
作業内容
シャッターボックスを開くとそこには長く頑張ったスプリングシャフトの姿がありました。
プーリーとシャッターカーテンの接合が外れており、スプリングの一部が切れていましたのでシャフト交換をご提案しました。
メーカーは不明でしたので三和の汎用スプリングシャフトに交換することに。
古いスプリングシャフトを外し、新しいスプリングシャフトに交換してシャッターの抵抗を調整して作業終了です。
作業時間は1時間程度でした。
費用
三和製スプリングシャフト(2200mm):42000円
作業工賃:15000円
廃材処分費:5000円
諸経費:5000円
合計:67000円
東洋シャッター製の倉庫の手動シャッターのスプリングシャフト交換
問い合わせ内容
数十年前に建てた倉庫にシャッターが付いておりますが、錆び付いており開閉が非常に困難な状態です。 開閉時に大きな異音がし、力を入れなければ開閉できません。 修理が可能であればお見積もりを頂きたく思います。 よろしくお願い申し上げます。
シャッターの取り付け位置:倉庫の入り口
シャッターボックス:露出納まり
シャッターの大きさ:高さ2500mm 幅2400mm スラット板厚0.5㎜
シャッターのメーカー:東洋シャッター
作業内容
シャッターボックスを開けるとスラットが横ずれを起こしており、シャッターボックスと干渉していました。
これが開閉時の異音および抵抗の原因となっていました。
こちらのシャフトは年数も経っており腐食も進んでおり、バネの力が落ちていたので交換をすることに。
スラットとスプリングシャフトをシャッターボックスから外し、新しいシャフトにスラットをまき直して開閉の調整を行いました。
作業時間は1時間30分程度でした。
費用
東洋シャッター製スプリングシャフト(2400mm):45000円
作業工賃:20000円
廃材処分費:5000円
諸経費:5000円
合計:75000円
YKK製の窓の手動シャッターのスプリングシャフトの交換
問い合わせ内容
お世話になります。戸建住宅のシャッター修理依頼です(見積後に修理でお願いします)。
サッシはYKKですがシャッターはシールが見つかりませんでした。
状況ですが
・スラットが下限まで下がっている(たるみ有り)
・スラットとガイドレールに曲がりなどの破損なし
・上部ケースを開け軸受とシャフトを確認、割れや折れなどの破損なし
・手でシャフトドラムを回転させたがスプリングの負荷がないのでスラットとシャフトドラムの連結ボルトを外しシャフトドラム単品で回転させたがスプリングの負荷なし(スラット単品での上下はスムーズ)
・シャフトドラムを手前方向に回転させたら負荷が出たので回せる範囲まででスラットを取り付けたが半分までしか上昇しなかった
・何度か試したがこれ以上に回転させてスプリング負荷をかけるとシャフトドラムの中で「ガシャン」と音がしてスプリングがフリーになってしまう
・スプリングの耳が破損しているかプーリーのスプリング取り付け部が破損しているかは目視出来ず(軸などは外していないので) 状況は以上ですが平日は不在が多いので土曜日を希望しますが、ご都合どうでしょうか? 宜しくお願い致します。
シャッターの取り付け位置:リビングの出窓
シャッターボックス:露出納まり
シャッターの大きさ:高さ2000 mm 幅2000 mm スラット板厚0.5㎜
シャッターのメーカー:YKK AP
作業内容
シャッターを分解し、状態を確認したところスプリングの耳が破損してスプリングの力がほとんど出ない状態でした。
シャフト交換を行い、動作確認して作業を完了しました。
ご依頼者さまも建築関係のお仕事をされている方でシャッターの分解の仕方など熱心に聞かれていました。
作業時間は1時間半程度。
費用
YKK AP製汎用スプリングシャフト(2000mm):65000円
作業工賃:15000円
廃材処分費:5000円
諸経費:5000円
合計:85000円
三和シャッター製のスプリングシャフトの交換
問い合わせ内容
巻き取り式のシャッターが重くなってきて動かしずらいので改善したい。
シャッターの取り付け位置:車庫の入り口
シャッターボックス:露出納まり
シャッターの大きさ:高さ2500 mm 幅2300 mm スラット板厚0.5㎜
シャッターのメーカー:三和シャッター
施工内容
シャッターボックスを解体し、スプリングの状態を確認したところ全体に腐食が進んでいたためシャフト自体を交換することになりました。
既存のスプリングシャフトを取り外して新しいものと交換し、シャッターの可動部にオイルを注油してシャッターの抵抗を調整して作業完了です。
シャッターはスプリングの巻き方で抵抗を調整できますので好みのある方は事前にお知らせください。一般には片手で上がる程度の抵抗が標準となっております。
費用
スプリングシャフト(三和製:2300㎜):50,000円
作業費:10,000円
諸経費(廃材処分費込み):10,000円
合計(税込み):77,000円
まとめ
スプリングシャフトの施工事例についてまとめました。
今後も随時更新していきますので交換費用の参考にしてください。
鹿島 創一
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