シャッターの構造と各部位の機能を解説【故障原因や対処方法も】

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シャッターの構造と各部位の機能を解説【故障原因や対処方法も】

シャッター修理の豆知識
更新日:2021/11/09

シャッターの故障状況を伝える際、各部品の名称がわからないことは多いと思います。ここでは一般的な手動シャッターと電動シャッターを例としてシャッターを構成する部品の名称とその役割を簡単に説明します。よくある故障原因についても言及しておくので参考にしてください。

図解!手動シャッターの各部位の名称と機能

上図が一般的な手動シャッターの構成部品とその名称です。

スラットとは

長方形の部材が蛇腹状に連結しているものです。シャッターの開口部のドアの役割をもっており、シャッターケースにコンパクトに収めるため蛇腹状の構造を持っています。シャッターの顔とも言うべき箇所ですね。連結されたスラットはシャッターカーテンとも呼びます。基本的に外気に一番さらされるので腐食のしやすい部分です。そのためスチール、アルミ、ステンレスなど設置場所の環境によっていろいろな種類がありますが、いまはスチールのコーティングがよくなってきているので沿岸等でなければスチールで十分です。一方でデザイン性、高級感を求めるかたはアルミやステンレスを選ぶ方もおられます。なお金額は1.5倍から3倍になにますのでご覚悟を。

吊元とは

スラットの一番上の部分を特別に吊元と呼びます。この吊り元とスプリングシャフトを固定することでスラットにバネの力を伝えます。

水切り(座板)とは

水切りとはスラットの一番下についている部材です。水切りとは名ばかりで雨樋のようには水を切りません。スラットの下部は水やほこりがたまりやすい部分ですので、特別に腐食しにくいまたは腐食しても容易に交換出来るように別パーツを用いています。それでも長い年月にはさびて腐ってしまいますが。水切りを交換することで他の部分のもらいさびも少なくなり、耐久性がアップします。

スプリングシャフト(巻取りシャフト+スプリング)とは

手動シャッターの動力部です。数十キロあるスラットをバネの力で巻き取ります。このスプリングとスラットの取り付け位置によって手動シャッターを上げる時の重さが変わってきます。シャッターの動きが重くなったというとき、サビやスラットの歪みによるズレも影響しますが一番の原因はスプリングの緩みです。バネで出来ているのでどうしても時間が経つと緩んでしまうので定期的にスプリングとスラットの位置を調整してやる必要があります。毎日使っているとわからないものなのですが5年もすると新設時と比較すると非常に重くなっています。オイルアップや清掃でシャッターの開閉の重さが変わらなければシャッター業者に相談しましょう。(シャッターケース内の作業は危険ですので^^;)

シャッターケースとは

スラットの巻取り部分を覆っているケース部分のこと。スプリングシャフト、スラット、マグサ、プーリー、軸受、ブラケットが中に収まっています。
シャッターケースが外から見える「露出納まり」と天井に組み込まれている「天井納まり」の2パターンが存在します。見栄えは天井納まりの方がすっきりしますがメンテナンス製は圧倒的に露出納まりなので店舗の入り口でどうしてもシャッターケースを隠したいというとき以外は「露出納まり」をおすすめします。例えばシャッターの上げ下げが重くスプリングシャフトの調整を行いたいときも天井納まりの場合、天井に穴をあけるという工事が必要となるので圧倒的に割高となります。

ガイドレールとは

スラットの左右に取り付けられた溝です。スラットを開閉するとき、その動きをガイドしてくれます。スラットと常に擦れる部分ですので余裕があれば定期的に清掃とグリスアップ(クレのシリコンスプレーなどで)を行いましょう。

内外錠とは

その名の通りシャッターのロック機能を担う鍵部分です。シャッターの鍵が中途半端に回してある状態を「鍵の半掛かり」と呼び、シャッターがスムーズに動かない原因の一つとなっています。シャッターの動きが悪いと感じたらまずは鍵がしっかり開いているか確認しましょう。

長年使用していると鍵が回りにくくなってきます。多くの場合、鍵穴に注油することで鍵の回りは改善されますが注油する際、ガイドレールのメンテナンスに使用するシリコンスプレーを使用することは避けましょう。シリコンスプレーは粘性が高く鍵穴にゴミを付着させて詰まりの原因になってしまいます。鍵穴の注油には専用の製品があるのでそちらを使うことを心がけてください。応急処置でしたら鉛筆(黒鉛)も潤滑剤として機能するのでお試しください。

図解!電動シャッターの各部位の名称とその機能

上記が電動シャッターの概略図です。手動シャッターと違う部分について解説していきます。スラットやガイドレールなどは手動シャッターとかわりません。

開閉器(モーター)

電動シャッターの心臓部。このモーターの動力でスラットを上げ下げします。
上げ下げの頻度にもよりますがおよそ10年以上使っているとだんだんと不具合が出てくることが多いです。
10年いないでの故障はハズレのモーターにあたった・・といった感想です。(^_^;)
故障内容としては「コントローラー不良」「ヒューズの溶断」「保護回路が動作している」「コイルの断線」など多くの原因が考えられますが基本的に業者マターです。
全交換しなくても良い場合も多くありますので渋々シャッター修理業者かメーカーに相談しましょう。

リミットスイッチ

シャッターの上限や下限を設定しているパーツです。
よく「シャッターが最後まで下がらない(途中で止まってしまう)」「シャッターが下がっても動作が止まらずたるんでしまう」という相談を受けますがその場合はリミットスイッチがおかしくなっています。調整ですむこともありますが多くの場合は交換になります。

ローラーチェーン

モーターの動力を巻き取りシャフトに伝える役割をしています。
モーターの動作音がするのに上げ下げが出来ない場合、このローラーチェーンが摩耗して切れている可能性が高いです。

障害物検知装置

電動シャッターの安全装置でスラットがなにかを挟んだらシャッターの下降が止まるようになっています。こちらの機構にはセンサーがつかわれていてその受光部の電源が乾電池で賄われています。電動シャッターが上がるが下がらない状態のときはこの電池が切れている可能性が高いので電池交換をためしましょう。一応メーカーは1日2回の開閉で1年毎の電池交換を推奨していますが皆さんおぼえていませんよね。

電動シャッターが下がらない!業者を呼ぶ前に電池交換を試そう!

【症状別】シャッターのよくある故障原因とその対処方法

手動シャッターが重い

スプリングシャフトのバネの反発力が弱まっていることが主な原因です。ほとんどの場合、1回はスプリングの巻き直しで改善することができますが2回目以降はスプリングを巻く余裕がなく、劣化も進んでいるので基本的に交換をおすすめいたします。ガイドレールにグリスアップをすることを勧める方もいますがスプリングの寿命を延ばすことは出来ますが重くなったシャッターが改善することはありません。ただ錆でシャッターが上げずらいという状は改善します。

手動シャッターが動かない

鍵が半掛かりのまま上げ下げしようとしている可能性があります。鍵穴が見える場合は鍵を差し込みしっかりロックが外れているか確認しましょう。
鍵穴がシャッターケースの中に入っている場合はシャッター業者に相談しましょう。

ガタガタとシャッターボックスから異音がする

チェーン切れかけていたり、スラットがボックス内で干渉しているなど原因が複数考えられます。シャッターボックスの中の昇降機構に問題が生じていますのでシャッターの使用を一度中止して、メーカーかシャッター業者に相談してください。

電動シャッターが下がらないorボタンを押す続けなければ下がらない

上記でも簡単に説明しましたが、障害物検知装置の電池が切れている可能性が高いです。マニュアルや記事を参考に電池交換を試してみてください。

各部位が壊れた時の修理費用は?

シャッターに不具合が出て業者に修理を依頼したとき、平均して5万円程度の修理費用が発生します。
当然、故障部位や修理内容によって変わってきますので、まずは業者に無料見積を依頼することをお勧めします。
おおよその目安は下記にまとめました。

シャッター修理の平均費用・相場について事例別に解説

まとめ

以上、シャッターの基本的な構成部品とその役割を簡単にまとめました。電動シャッターやシャッターケース内の細かな部品の説明も今後追記していきたいと思います。

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鹿島 創一

シャッターの大手メーカーを経て現職へ。Web担当ではありますが現場仕事も大好き。趣味は猫カフェ巡り。

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